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クライアントアクセスライセンス


クライアントアクセスライセンス


0.改定履歴

  • 1998.08.19 初版
  • 1998.12.18 接続クライアント数モード時のイベントログ追加

1.はじめに

 このドキュメントは,WindowsNT関係のクライアントアクセスライセンスについて,理解しやすく説明する資料である.

 なお,この元となった資料はNT4.0 Serverに付属していた,「使用許諾契約書(227-440-701-1)」および「BackOfficeライセンスについて(227-400-704)」であり,今後その内容が更新されるかもしれない事を予め明示しておく.

2.クライアントアクセスライセンスとは?

 その名の通り,WindowsNTサーバに接続する時に必要となるライセンスである.

 具体的に説明すると,WindowsNT上の次のようなサーバプログラムに接続する場合に必要である.

  • ファイルサーバ
  • プリントサーバ
  • RASサーバ

 なんでもかんでもWindowsNTに接続する場合にクライアントが必要になるわけではない事に注意する.

ライセンスが必要・不要な例
状況 必要? 理由
NT上でOracleを稼動させてSQL*Netで接続する場合 不要 SMBを用いないため不要.
他ドメインのクライアントがこのNTに接続して印刷する. 必要 SMBを利用するため必要.

3.ライセンスの種類

 NTサーバには,次のようなに2つのライセンス形態がある. 

  • 接続クライアント数モード
  • 同時使用ユーザ数モード

 このライセンスは,OSのインストール時に選択し,その後「同時使用〜」から「接続クライアント〜」は1回に限り変更できる.

3.1.接続クライアント数モード

 このモードの1ライセンスは,「特定のクライアントコンピュータ」に対して適用される.

 よって,サーバに接続するすべてのクライアントにライセンスが必要になる.

 
図1 接続クライアント数モードの場合

 図1の場合,2台のNTサーバがあり,クライアントが4台ある. クライアント数モードではクライアントの数,つまり4ライセンスある必要がある.

 接続クライアント数モードでは,購入したライセンス数を入力する必要がない.

 接続クライアント数モードでライセンスエラーが発生すると,次のようなメッセージが表示される.

接続クライアント数モードエラーメッセージ(EventID:202)
製品 Windows NT Server はライセンス外です。 ライセンスに準拠していないユーザーと不足しているライセンス数について詳しくは、[管理ツール] フォルダの [ライセンス マネージャ] を使ってください。

 この場合,まず,ライセンスマネージャで接続状況を調べて不要な物を解除すればよい.

3.2.同時使用ユーザ数モード

 このモードでは,ライセンスが「特定のサーバ」に割り当てられる.


図2 同時使用ユーザ数モードの場合

 たとえば,図1と同じ環境で適用した場合,図2のように1つのサーバには4台のクライアントがアクセスするので,サーバそれぞれにライセンスを持つ必要がある. この場合,8ライセンスが必要となる.

 このライセンスのメリットは,「同時に使うユーザ分だけライセンスが必要」という事を踏まえると,たとえば次の図3の様なパターンであればライセンス数を減らすことが出来る.


図3 ライセンス数を減らす考慮点

 この場合,4台のクライアントがあるが,それぞれが同時にサーバに接続しない場合,ライセンスは1ライセンスで済むので,“接続クライアント数モード”よりも安価に構築できる事になる.

 ただし,ライセンス数を越える,たとえば図3の場合だと2つ目のクライアントが接続しようとする際には,ライセンス違反が発生する.

 具体的には,サーバ上で稼動しているファイル共有資源へ接続を試みる. すると,次のようなダイアログが表示されて接続できなくなる.


WindowsNTの場合のメッセージ


Windows95の場合のメッセージ

イベントログのメッセージ
ソース (LicenseService) 内のイベント ID (201) に関する説明が見つかりません。次の挿入文字列が含まれています:\UserName, SMBServer 4.0.

 このメッセージによると,SMBサーバ,つまりサーバサービスへの接続に対してライセンスがないことがわかる.

4.クライアントアクセスライセンスに関する考察

 2つのライセンスの形態を考えると,一番簡単なのは接続クライアント数モードであると考えられる.

 ユーザ数をしぼった厳密な管理を行なう事はあまり考えられず,またコストも1クライアントライセンスが6000円であることも考慮する必要がある.

 ただ,サーバ側OSのバージョンアップを行なう場合には,前クライアントアクセスライセンスをアップグレードしなければならないことに注意する.

5.ライセンスに関するQ&A

Q1:サーバに10人分ユーザを作成したが,クライアントアクセスライセンスは10ライセンス必要か?
A1:ユーザを作成しただけでは不要.

Q1:サーバに,クライアントからドメイン承認を使ってログオンしたが,ライセンスは必要か?
A1:サーバプログラムに接続しなければ不要. サーバプログラムとは,ファイルサーバ,プリントサーバ,RASサーバとなる.

Q1:ファイルサーバ機能などのサーバプログラムは使わず,Oracleを稼動している. ライセンスは必要か?
A1:不要.同じ様な物にSQL Server,SNA Server,Lotus Notesなどがある. ちなみに,これらは別のライセンスが必要である.


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