ログオンスクリプトの活用
0.改定履歴
- 1997.07.24 初版
- 1999.11.11 会社名が入っていたので消した
1.はじめに
WindowsNTが持っているログオンスクリプト機能をつかって,クライアント(ここではWindows95)を上手いこと管理しようというのがこのドキュメントである.
2.ログオンスクリプトとは?
ログオンスクリプトとは,WindowsNTのオンラインブックによると次のように定義してある.
バッチ ファイルの一種。ログオン スクリプトは、ユーザーがログオンするたびに自動的に実行されます。ログオン スクリプトを使うと、ログオンするたびにユーザーの作業環境を構成することができ、管理者がすべて管理しなくてもユーザーの環境に影響を与えることができます。ログオン スクリプトは 1 つまたは複数のユーザー アカウントに割り当てることができます。 Microsoft Windows NT Server Copyright 1996 |
つまり,バッチファイルである.
3.今回の意図
WindowsNTのマニュアルによると,次のように書かれている.
ログオン スクリプトは、ネットワークに接続し、アプリケーションを起動するなど、ユーザーのログオン時の作業環境を設定するために使用します。ネットワーク管理者は、ログオン スクリプトを作成して、ユーザーごとに異なるログオン スクリプトを割り当てるか、複数のユーザー用に単一のログオン スクリプトを作成できます。 Microsoft Windows NT Server Copyright 1996 |
今回は,このログオンスクリプトを使って,ユーザのマシンに自動的にネットワークドライブを割り当てる方法を考える.
4.NET USEコマンド
Windows95で,DOSコマンドにてネットワークドライブを接続するには,次のようなコマンドを入力すれば可能である.
NET USE ドライブ番号 \\コンピュータ名\共有名 |
例えば,ユーザのドライブEに,コンピュータ名“duo”のWindowsNTが作成している共有名“share”を接続させたい場合には,次のようなコマンドが必要である.
NET USE E: \\DUO\SHARE |
つまり,このコマンドをバッチファイルに書いてしまえばよいわけである.
5.バッチファイルの作成
例えば,次のような接続を行ないたいとする.
NTサーバ名 | NTの共有名 | ユーザのドライブ番号 |
---|---|---|
DUO | CHICAGO | E |
CENTRIS | DAYTONA | G |
QUADRA | MENPHIS | Q |
この場合,次のようなバッチファイルを作成する.
NET USE E: \\DUO\CHICAGO NET USE G: \\CENTRIS\DAYTONA NET USE Q: \\QUADRA\MENPIS |
6.バッチファイルの保存
前出で作成したバッチファイルを保存する.
通常,ログオンスクリプトが格納されるパスは,次の通りである.
%systemroot%\SYSTEM32\REPL\IMPORT\SCRIPTS |
“%systemroot%”は,WindowsNTのシステムが導入されたディレクトリである.
たとえば,“%systemroot%”が“C:\WINNT40”であれば,前出で作成したバッチファイルを次のように保存する.
C:\WINNT40\SYSTEM32\REPL\IMPORT\SCRIPTS\testbat.bat |
7.ユーザへのログオンスクリプトの割り当て
ユーザへログオンスクリプトを割り当てるには,“ドメインユーザマネージャ”にてそれを定義する.
- “ドメインユーザマネージャ”を起動する.
- 該当するユーザを指定し,[プロパティ]を表示する.
- 画面下の[プロフィール]ボタンを押下する.
- すると,次のような画面が表示される.
- ここで,[ログオンスクリプト名]に,ファイル名を入力する.
- 前出の例を実現するなら,このファイル名に“testbat.bat”を入力する.
以上で設定終了である.
8.設定が可能になったかテスト
これで設定した通りに稼働するかは,ネットワーク経由にてWindows95クライアントからログインしてみる. 自動的にネットワークドライブが接続されていればOKである.