Directory Replicator負荷による
サーバのパフォーマンスダウン
サーバのパフォーマンスダウン
0.改訂履歴
- 1997.07.23 初版
- 1999.12.04 会社関係の情報を削除
1.現象
PDC&ファイルサーバが次のような状態になった.
- Windows95クライアントから,ファイル共有機能によって共有しているファイルをアプリケーションから開こうとすると,頻繁にフリーズしてしまう.
- WindowsNTサーバ自体がたまにハングアップしてしまう.
2.調査
- WindowsNTに何かトラブルがあるのかと,しばらくの間イベントビューアで内容を監視していたが,何もロギングされていない.
- 仮想記憶で用いているページングファイルのサイズを増やしてみたが,現象は変わらなかったなかった.
- PDCとなっていたので,承認に関する負荷が大きいのかと,安定稼働中のBDCマシンとドメインコントローラの役割を交代させてみた. が,現象は変わらなかったなかった.
そこで,サーバパフォーマンスのボトルネックを調べるために,NT標準のパフォーマンスモニタにてしばらく監視した.
すると,ネットワークやディスクアクセスは20%そこそこであったが,プロセッサだけはほとんど100%になっていた.
よって,稼働しているサービスをとりあえず1つづつ落として,一番の負荷になっているサービスを割り出すことに専念した. 結果,Directory Replicatorを落とすことによって,CPU稼働率は20%程度にまで低下した.
3.原因
Directory Replicatorとは,ファイルのレプリカ(複製)をとる仕組みである.(ドキュメント「ディレクトリ複製について」を参照)
マスタとなるマシンで更新されたファイルのみを転送する仕組みであるが,この“更新されたかチェック”の処理がCPUを占有していたのだった.
Directory Replicatorでは,デフォルトでは更新チェックは2分間である. つまり,更新チェックの対象となるファイル数が多くなった場合には,更新チェック処理が終了する前に次の更新チェック処理が待ちになる状態で,間が無く,次々と更新チェック処理が稼働していた事によってCPUが占有された.
ちなみに,このトラブルを引き起こしたディレクトリのファイル総容量は266MBである.
また,一部で懸念された“ネットワークトラフィック”については,転送されるのは更新されたファイルのみに限られるので,多くは無いとおもわれる. 実際,パフォーマンスモニタで計測した結果,パケットはあまり飛んではいなかった.
4.対処方法
Directory Replicatorの更新チェック処理を行なう間隔を変更することが出来る. その値は最低1分〜最大60分の間である.
この変更はレジストリエディタを使用して修正する.
\HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Replicator\Parameters |
値 | データタイプ | 省略時値 | 説明 |
---|---|---|---|
Interval | REG_DWORD | 5 | 複製されたディレクトリの変更をチェックする頻度を設定する. インポートサーバでは必要ない.(1〜60(分)) |
今回は,これを最大60分に修正した.
参考文献
- Microsoft WindowsNT3.5リソースキット
- Vol.1 WindowsNT3.5リソースガイド
- 株式会社アスキー
- ISBN4-7561-1011-8 C3055 P14000E
- Vol.1 WindowsNT3.5リソースガイド
- Q138125 How to Set Replication Interval to Minimum
- ディレクトリ複製について
- ディレクトリ複製の設定