ミラーセットの回復
0.改定履歴
- 1998.03.23 初版
1.はじめに
このドキュメントは,Windows NTにて,作成したミラーセット(RAID1)のハードディスクが壊れた場合に行う処置をまとめたものである.
2.状態説明
次のようなミラーセットを構成し運用していたとする.
Disk1を本物?とし,ミラー先をDisk2とする.
この場合,それぞれをプライマリパーティション,シャドウパーティションと呼ぶ.
プライマリパーティションは,OSの入ったパーティションであり,ブートブロックが格納されていた.
しかし,このDisk1(プライマリパーティション)が壊れた場合,次のように起動できなくなる.
この起動できなくなった状態から,Disk 2のデータを用いて復元し,起動させる手順をこのドキュメントで示す.
3.作業前に気をつけること
今回のように,プライマリドライブが故障し,シャドウパーティションから起動する前に,まず次の事を行わなければならない.
- 故障したハードディスクの電源を落とす
- あるいは,SCSIバスから外す
これは,NTが起動時に故障したドライブにアクセスしようとすると失敗して,起動時のSTOPエラー(ブルースクリーン)を起こすことがある.
また,プライマリドライブがシステムパーティションを含んでいる場合には,ミラーの再構築にどのドライブを使用するかについて注意する必要がある.
4.交換部品について
交換するハードディスクは,故障したプライマリドライブと(製品が)同一のものを使うようにする.
これが保守部品が無いなどで出来ない場合には,フロッピーディスクからOSを起動しなければならなくなる.
5.ミラーセットの解除手順
ここでは故障したミラーセットの修復作業を行う.
- ミラーセットが壊れている状態のまま,作業する.
- ディスクアドミニストレータにてミラーを解除する.
- 残りのセカンダリパーティションを別のボリュームとして使えるようにするために,最初にミラーセット関係を解除する必要がある.これによってシステムの再起動時の問題を防止する.
- 残りのミラーセットの稼働メンバーは、以前ミラーセットに割り当てられていたドライブレターを受け取る。孤立化したパーティションは次に利用できるドライブレターかユーザーが割り当てたものを受け取る。
- システムをシャットダウンする.
- 故障ドライブを取り替える.
- 交換ドライブは,故障ドライブののサイズが同じかそれ以上のものならば良い. しかし,システムドライブの場合には,同じサイズ・型版のものでなければならない.
6.交換するドライブの設定
故障したドライブによって,SCSI IDを次のように設定する.
- 故障ドライブがシャドウドライブの場合
- 故障ドライブと同じSCSI IDを設定する.
- 故障ドライブがプライマリドライブの場合
- 故障ドライブがシステムパーティションまたはブートパーティションの場合,ミラーセットの両ドライブが(ハード的に)同一のものである場合にのみSCSI IDを交換する事が出来る.
7.システムの再起動
ハードディスクを交換したら,次はOSの再起動となる.
次の状態の場合,ハードディスクから直接起動することが出来る.
- ブートパーティション回復用のフォールトトレランスブートフロッピーディスクを作成してある.
- どのような故障の後でも再起動できるようにするための回復手順をテストしてある.
どちらでもなければ、フォールトトレランスブートフロッピーディスクから始動する。
8.ミラーセットの再構成
正しく再起動したら普通の“ミラーセットの確立手順”にによってミラーを再構築する.
ミラーを初期化するために2度のシステムの再起動が必要となる. これが終了したら,フォールトトレランスブートフロッピーディスクをテストして、確実にシステムをどちらのドライブからでも起動できるようにせっていしてそれを確認しておく.