起動フロッピーの作成
0.改定履歴
- 1998.03.23 初版
- 1998.04.02 表示について追記
- 1999.11.20 タイトルを変えた
1.はじめに
このドキュメントはWindows NTで,緊急起動用に必要な起動フロッピーディスク(フォールトトレランス起動ディスク,緊急起動ディスクなどとも呼ばれる)を作成するために必要なものをまとめるものである.
2.x86ベースのNT起動ディスク
FATでフォーマットしたFDを1枚用意する. FATはMS-DOSからフォーマットしたものでは無く,必ずNTでフォーマットしたものを使用しなければならない.
次のようなファイルがあるので,これをFDに複写する.
ファイル名 | 機能 |
---|---|
NTLDR | Windows NTマルチブートローダープログラム. |
BOOT.INI | ARC命名規約を用いて指定したブートパーティションの位置を記録. |
NTDETECT.COM | ハードウェア検出に使用. |
NTBOOTDD.SYS | BOOT.INIのmulti構文の代わりにscsi文を使用している場合にのみ必要となる. |
NTBOOTDD.SYSはSCSIディスクを使っている場合に用いられる. SCSI BIOSを使っている最近のマシンでは不要なのでインストールされていない事が多い.
NTBOOTDD.SYSはNTで使用するSCSIミニポートドライバをコピーして名称変更したものである.たとえばAdaptec 1542B SCSIホストアダプタを使用している場合,AHA154X.SYSをフロッピーディスクにコピーし次にそれをNTBOOTDD.SYSに名前を変更すればよい. |
3.RISCベースの起動ディスク
RISCベースのコンピュータの場合,次のようなファイルを起動フロッピーディスクに複写する.
ファイル名 | 機能 |
---|---|
Osloader.exe | NTLDR,NTDETELCTのようなもの. |
Hal.DLL | ハードウェアアブストラクション層. |
*.pal | Alpha APXベースのみ. |
RISCベースのコンピュータは,起動の選択をNVRAMに定義する必要がある. これによりシステムパーティションが破損した場合でも,NT起動用FDがあれば回復できる.
4.MS-DOSベース
起動ディスクがFATの場合,MS-DOSでブート可能な起動フロッピーディスクがあればよい.
このFDには,ブートセクタを含んだ形態のフォーマットを施し,適当なコマンド類を含めて作成しておけばよいとおもわれる.
4.1.MS-DOSブート可能なフロッピーディスクの作成
単純にformatコマンドを行っただけでは,起動可能なディスクにならない. よって,次の手順にて起動可能なFDを作成する.
- MS-DOSを起動する.
- ドライブAに空のFDを入れる.
- format a:/sを実行する.
4.2.MS-DOS起動ディスクに入れておくと便利なファイル
次のファイルをFDに入れておくと便利かと思われる.
コマンド | 機能 |
---|---|
attrib | ファイルの属性を変更する. |
format | ディスクをフォーマットする. |
fdisk | ディスクのパーティションを分割する. |
テキストエディタ | テキストファイル(たとえばboot.iniなど)を編集するために便利. |
5.表示について
ちなみに,こうして作ったブートディスクでは,日本語が表示されないので,boot.iniにコメントを付ける場合には,英文で行っておくことを推奨する.
参考文献
- Windows NT 4.0 Server リソースキット
- p.178 コンピュータ起動用フロッピーディスクの作成
- boot.iniファイルの編集