システムドライブのバックアップ
0.改定履歴
- 1997.03.18 初版
1.はじめに
このドキュメントでは,システムドライブのバックアップ及びリストアの方法を述べる.
2.稼動しているNTではバックアップできないファイルがある
稼動しているNT自身をテープにバックアップしようとしても完全にバックアップを取ることが出来ない.
これは,プロセスが排他モードで使用(オープン)しているファイルがあるためである.
殆どの場合,この使用中のファイルは重要なファイルなのでバックアップできていない場合には,リストアの意味さえ失われる. よって,次に示す方法によりバックアップを取る.
3.緊急起動用のシステムを導入しておく
動いているからバックアップ出来ないわけで,そのファイルを使わない様にしておけば,使われていないことになるのでシステムのバックアップが可能になる.
よって,別で稼動するNTを導入しておくことで対処する. これはドキュメント「Trouble AID 〜トラブルから早く回復するための事前処理〜」にあるように,障害からの復旧の効果もある.
4.緊急起動用のシステム導入の注意点
緊急起動用にNTをもう1つ入れる場合に,次のことに注意する.
- 新規インストールにする
- 上書きインストールにすると現在のNTがサービスパックさえ適用されていないインストール初期状態まで戻ってしまう.
- 導入するディレクトリ名を正規のNTとはユニークな物にする
- 新規インストールするのであれば当然.
- ネットワークカードの設定を行なっておく
- テープドライブ不調によりテープでバックアップできない場合があるので予めネットワークは稼動できるまでにしておく.
- ネットワーク設定時に“コンピュータ名”を正規の物ではない物に変更する.(たとえば名前の後ろに"X"を付けるなど)
- NTでは,一定周期毎にブロードキャストしてサブネット内のコンピュータ名を取得しているが,物理的に違うOSで同じ名前の場合にネットワークエラーになることがある.
- テープドライブの設定を行なっておく
- テープバックアップを行なうので,必須.
5.システムのバックアップ
システムのバックアップは次のように行なう.
- 緊急起動用のNTから起動する.
- 環境変数systemroot(NTが導入されているドライブとディレクトリ通常,"C:\WINNT35"などになっている.)のみをバックアップする.
その他のntldrやntdetect.comなどはバックアップしない. リストアする時に邪魔になるだけである.
6.リストアの手順
システムが破壊されたときに,システムをテープバックアップからリストア(復元)する方法を説明する.
破壊された(つまり,フォーマット直後のような)状態からシステムを復元するには,もう1つNTを導入する. 後に,これを「緊急起動用」として使用するので,次にその手順を述べる.
- 緊急起動用のNTの新規インストールを行なう.
- テープにバックアップされたNTを復元するために必要.
- 緊急起動用のNTを導入するディレクトリ名を正規のNTとはユニークな物にする
- テープにバックアップした物と同じディレクトリ名にインストールしてしまうと,最終的に復元できない為.
- ネットワークカードの設定を行なっておく
- ネットワーク設定時に“コンピュータ名”を正規の物ではない物に変更する.(たとえば名前の後ろに"X"を付けるなど)
- テープドライブの設定を行なっておく
- テープからリストアを行なうので必須.
- テープからシステムをリストアする.
- boot.iniファイルを修正する.
- ドキュメント「boot.iniファイルの編集」を参照.
以上でシステムのバックアップ及びリストアが可能である.