インストール前の環境変数の設定
0.改定履歴
- 1997.08.29 初版
1.はじめに
このドキュメントでは,Oracle Server 7.3.2.1.0のインストールを行なう前に必要な環境変数の説明を行なう.
2.必ず必須で設定しなければならない環境変数
ここで説明する物は,インストール前に必須となる環境変数である.(タイトル通り)
2.1.ORACLE_HOME
Oracleソフトウェアをインストールするディレクトリを定義する. Oracle Installerは,この環境変数で指定されたディレクトリ以下に必要なモジュールをインストールすることになる.
OFA準拠のデフォルトは,mount_point/app/oracle/product/releaseとなる.
たとえば,ディスクスライス/oracleに導入するとなると,次のようになる.
- Oracle 7.2.3.x.xの場合
- /oracle/app/oracle/product/7.2.3
- Oracle 7.3.2.x.xの場合
- /oracle/app/oracle/product/7.3.2
※OFA(Optimal Flexible Architecture)とは,データベースのメンテナンスなどを容易にするために,Oracle7.3から導入された物であり,それまでの物とはディレクトリ構成がかなり違う. 詳細はマニュアル"OFAについて"(3mmぐらい)を参照する
2.2.ORACLE_SID
データベースインスタンスのシステム識別子の値を示す.
英数字で構成される4文字以内に命名することが推奨されている.
また,データベース名(インストールのときに入力する)と同じにしておいた方がよいともかかれている.
2.3.ORA_TERM
インストーラが使用するターミナルのタイプを設定する. これが設定されていない場合にはUnixのTERM環境変数を利用する.
OSによって,次のようになる.
OS | 設定 |
---|---|
Solaris2.x | xsun5 |
AIX | aixterm |
その他 | vt100,あるいはvt220 |
2.4.PATH
検索パスは,次の物を設定しておく必要がある.
パス | 意味 |
---|---|
$ORACLE_HOME/bin | SQL*Plusやサーバマネージャが導入される場所. |
Cコンパイラディレクトリ | Pro*Cを使う場合は必要. |
/bin | |
/usr/bin | |
/usr/ccs/bin | |
. | カレントディレクトリへのパス |
makeユーティリティのディレクトリ |
パスに/usr/ucbが必要な場合には,環境変数PATHの最後に設定する. また,/usr/ccs/binは/usr/ucbの前に設定しなければならない.
3.場合の応じて必要な環境変数
ここに分類される物は,マニュアルでは“任意の環境変数として取り上げてある物である.”
3.1.ORA_CMS_MODE
行モードにてSQL*Net V2のClient Status Monitorを使用する場合に必要.
何のことだか判らないので,設定不要.
3.2.ORA_NLS32
この環境変数は,US7ASCII以外のキャラクタセットを使用してデータベースを作成するときに必要である.
インストールをはじめる前に,$ORACLE_HOME/ocommon/nls/admin/dataに設定しておく必要がある.
3.3.ORACLE_BASE
OFAに準拠したインストレーションを行なう場合に必要である. インストール作業において,基盤となるディレクトリ構造を定義する.
OFA準拠の値は,mount_point/app/oracleである.
Oracleのアップグレードを行なう場合に,前回のインストレーションでORACLE_BASEの定義の有無を確認して作業が行なわれる.
3.4.ORACLE_PATH
Oracle7 ServerまたはTools製品を実行する場合は,OSの環境変数PATH以前に,ORACLE_PATHを検索する. この環境では有効な文字数は242文字となる.
よって,$ORACLE_HOME/binがPATHに設定してあれば不要だし,設定するとしても$ORACLE_HOME/binを設定する物と思われる.
3.5.TWO_TASK
C/Sシステムにおけるリモートマシンを指定する. ネットワークを通さずに直接インストールする場合には,TWO_TASKの設定は不要である.
リモートマシン上にデータベースオブジェクトを作成する場合には,TWO_TASKに前回インストーラを起動したリモートマシンに対するSQN*Net V2のネットワーク別名を設定する. ネットワーク別名とは,tnsnames.oraファイルから通知されるマシンのホスト名である.
C/Sシステム構成の場合には,クライアントにOracleソフトウェアをインストールした後に,サーバに対するネットワーク別名をクライアントマシン上のTWO_TASKに設定する.
3.6.TMP_DIR
作業用ディレクトリ.通常/var/tmpを示す. 共有してアクセスできるように,chmod 777 $TMP_DIRにて,アクセス権を設定する.
4.その他の環境変数
マニュアルでは触れられていない環境変数もある.
4.1.ORACLE_DOC
Oracleのオンラインドキュメントが納められるディレクトリを指定する. 指定しなくてもOFAに準拠した場合,適切な位置にインストールされるのでもんだいない.
5.マニュアルに準拠した環境変数設定サンプル
以下に,スライス/oracleにOracleをインストールする際のサンプルを示す.
setenv ORACLE_HOME /oracle/app/oracle/product/7.3.2 setenv ORACLE_ISD SID_TEST setenv ORACLE_TERM vt100 setenv ORA_CSM_MODE line setenv ORA_NLS32 $ORACLE_HOME/ocommon/nls/admin/data setenv ORACLE_BASE /oracle/app/oracle setenv ORACLE_PATH $ORACLE_HOME/bin:/bin:/usr/bin:/usr/ccs/bin setenv TMP_DIR /var/tmp |
実際に使用した環境についてはドキュメント「Oracle 7.3.x for Solaris 〜インストール前作業編〜」を参照する.
参考文献
- Oracle7 for FUJITSU UXP/DS インストレーションガイド リリース7.3.2
- 製品番号A45771-1
- OFAについて
- 製品番号A45685-1