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Linuxは本当に使えるのか? 2004冬

Linuxは本当に使えるのか? 2004冬


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  • 2004.02.07 新規作成

1.はじめに

 このドキュメントでは,前回「 Linuxは本当に使えるのか? 2003夏 」の続編です.

 その後に思っている事を書きます.

2.ディストリビューションの勝ち?組

 うちの会社ではRedHatを採用していますが,その理由は,最初にLinuxに詳しい人がRedHatが良いと言ったからなのと,ハードウェアベンダが積極的にサポートを表明していたからでした.

 会社で本格的に使い始めた2001年頃は,色々なメーカが力を入れているのはRedHat LinuxだったりTurboLinuxでした. 当時メーカ&ベンダを呼んで話をしていると,外資系のコンピュータベンダはRedHatで,国内企業はTurboLinuxを積極的にサポートしている動きが多かったように思います.

3.UnitedLinuxの登場と衰退

 2002年春,RedHatが一人際だってきているので,それを危惧した他のLinuxベンダー.TurboLinux,Caldera International,Conectiva(ブラジル),SuSE(ドイツ)の4社で,「UnitedLinux」という団体を発表,その年末に「UnitedLinux V1.0」を出荷しました.個人的にはあまりウォッチしてないのだが,そもそも使っている人を見た事無いけど.

 この中にあるCaldera Internationalという会社は,その後SCO(Santa Cruz Operation?)を買収しました. そして元のCalderaという社名を捨てて,SCOグループと名乗っています.

 しかし2003年,SCOはIBMを代表とする,事前に交渉を完了していたSun MicrosysytemsとMicrosoft以外の多くのメーカ・ベンダ,およびユーザに対してもライセンス料の支払い義務があると表明しています.

その背景には,経営の苦しくなったSCOグループと,2003年4月に発表した「SCOx」というWebサービス対応のフレームワークの販売に注力するためといった話もありますが,個々で重要なのは「Linux事業から撤退」している所です.

 つまり,内部混乱状態なので,UnitedLinuxどころではない状態のようです. 下手するとUnitedLinux団体はSCOグループに訴えられる可能性すらある...

 10年程前,ダウンサイジングだオープンシステムだと言われていた頃にUNIX系の標準化団体,"X/Open"と"OSF(Open Software Foundation)"が「標準は俺だ!」と言ってどたばた混乱している間にMicrosoftに圧倒的な差を付けられてしまった時期を思い出します.

 マラソンしていたら,2番手グループが勝手に足の引っ張り合いをして沈んで言ってる感じがありますね.

 2004年の今,UnitedLinixは見ないうちに消え去っていった感じ.

4.SCOグループについてちょっと整理

 UNIXというのは,アメリカの電話会社,AT&Tのベル研究所で開発されたOSとして生まれたとされています.

 その後色々あって,UNIX Systems Laboratories(USL) が管理していましたが,1993年,当時一番利用されいたネットワークOS NetWareの会社,NovelがUSLを買収しUnixWareとなりました.反Microsoft陣営として足元を固めようとしたようでしたね.この時に,"UNIX"の商標はThe Open Groupに移っているようです.

 The Open Groupというのは,先に出たX/OpenとOSFが,いつの間にか合体したものです. 弱者連合?

 そして1995年にNovelがUnixWareをSCOに売却して,2002年にSCOはCalderaに買収されたという事になっている. つまり,UNIXのコードやライセンスを持っているような感じなので,SCOグループはLinux陣営に対して強くでれらるわけです.

5.RedHatの動き

 Redhatでは,プロダクトを大きく2つに分けました.

 ホビー用(おもちゃ)として"Fedora Project"を発足し,"Fodera Core"と呼ばれるプロダクトを提供するようになりました.

 "RedHat"は,企業向けで有償物になるようです.

6.Linuxは有料化されたも同じか

 RedHatは,実質的に有償化されました.では,実際の費用はどうなってるのか,テンアートニの4時間延長サポート付きを見てください.

製品 価格 備考
RedHat Enterprise Linux AS
\198,000
 大規模用途のサーバ用.
RedHat Enterprise Linux ES
\99,800
 小規模なサーバ用.
RedHat Enterprise Linux WS
\39,800
 デスクトップ用途.

 この費用というのは,1年分の保守費用です.つまり,2年目以降も同じ費用がかかります.

 ハードウェアメーカでは,ドライバをRedHat Enterprise Linux向けにしか提供していかない動きがありますから,会社でRedHatを利用する場合は,実質無償ではなくなりました.

 では,先ほどのSCOグループの訴訟について考慮してみましょう.

 この記事によると「Linuxユーザーに対し法的な保証を得る方法としてUnixWareのランタイム・バイナリバージョンのライセンスを購入することを提案」しているそうです.
 この記事ではUnixWareは50ユーザで4,999ドルとされています.今日2/7現在のレートで53万円.「ランタイム版」というのが導入するサーバ台数によって割引されるようですが,実際の所不明なようです.

 仮定として,1台3万円でしたら,100台マシンがあれば300万円.500台マシンがあれば1500万円となりますね.

 実際には,SCOグループはIBM等大きな企業を相手に訴訟をしているわけですから,私の会社のような小さな企業を訴えるような事をするとは思えませんが,もしIBM等が訴訟で負けるようになった場合は立場が違ってくるでしょう.

7.その他の動き

 この文書の冒頭にて,日本ではTurboLinuxが,アメリカではRedHatが受け入れられている風潮を肌で感じているような事を書きました.

 最近は,UnitedLinuxに参画していたSuSE Linuxの勢いが強くなっているようです.特にIBMが力を入れているようですね

 再び対決を目指しているか否かは別にして,聞くところによるとIBM以外でもSuSE Linuxに注目しているハードウェアベンダの声を聞くので,ちょっと位知って置いてもイイかもしれません. ただし,これも私は見た事がありませんが.



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