ホットスペアとホットプラグ
0.改定履歴
- 1998.08.24 初版
1.はじめに
このドキュメントは,ハードディスク構成のときに使われるホットスペアとホットプラグについてまとめる資料である.
なお,メーカによっては異なる呼び方をする場合もあるので,名前よりは仕組みを理解しておいた方が良い.
2.ホットスペア
ホットスペアでは,予備のディスクを設置しておき,故障が発生した時点で自動的に代替ディスクに切り替わる機能である.
次の例では,RAID5運用時にホットスペアの機能を説明する.

図1 ホットスペアの通常運用時モデル
通常運用時に,図1のようにDisk1〜3にてRAID5構成にしている. そして,ホットスペア用としてDisk4が用意されて設置されている.

図2 ホットスペア適用時
RAID5運用されているディスクの一つ(この場合Disk1)が故障した場合,通常時のRAID5運用ではなくスペアディスクが直ぐその代替として切り替わるようになっている.
この仕組みを導入することによるメリットとしては,ベンダーによって保守部品の到着に時間がかかることがあるが,この待ち時間中に再度障害(二重障害)が発生してもダウンを防ぐことが出来ることにある.
大半のアレイコントローラでは,ホットスペアを備えていれば,ホットプラグも備えている.
4.ホットプラグ
ホットプラグに対応したアレイコントローラを用いていれば,ディスクの障害が発生した場合にマシンの電源を落とすことなく運用できる.

図3 RAID5の通常運用時
たとえば図3の様なシステム構成で運用している場合にディスクが故障したとする.

図4 故障し,RAID5で縮退稼働中
すると,RAID5の機能により,縮退運転に切り替わる. この間にベンダーより保守部品の調達を依頼する.

図5 ホットプラグにて交換
保守部品到着後,普通の作業通り部品を交換するが,マシンの電源をオフにする必要はない.
ハードウェアRAIDを実現しているアレイコントローラで,この機能を搭載していない物は見たことがないくらい,普及している.