XeonとHyper Threading
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- 2002.10.08 新規作成
1.はじめに
このドキュメントでは,IntelのXeonプロセッサと,ハイパースレッディング技術について雑学的に説明する.
2.Xeon(じーおん)とは
- Xeonプロセッサは,以前はPentiumII Xeon,PentiumIII Xeonと呼ばれていたプロセッサの新型で,名称からPentiumが除かれた,新しい呼び名のプロセッサの事である.
- その歴史から判るように,Intelのi386系の32bitのアーキテクチャのものであり,それらと互換性がある.
- ちなみに,Intel Itaniumは64bitプロセッサで別物である.
- Xeonプロセッサは,複数CPUで稼働する事が出来る.
- その数で,製品が2種類ある.
- Xeon DP
- Dual Processerの略.
- 2002.10.08現在,Webをみると,
- DPという表現はされてない.
- 2次キャッシュまで搭載.
- 周波数は,最高2.8GHzがある.
- Xeon MP
- Multi Processerの略.
- 2002.10.08現在,Webをみると,
- 最大CPU数は書かれていないが,32CPUと思われる.
- 3次キャッシュまで搭載.
- 周波数は,最高1.6GHzがある.
- Intel XeonプロセッサMP
- Xeon DP
- ぶっちゃけでいうと,
- Xeon MPは,サーバ用.3次キャッシュがあるのでDBサーバに向いている.
- Xeon DPは,ワークステーション(CADとか)用とか3Dゲーム命!でお金持ちな人用という感じ.
3.ZEON(ジオン)とは
- ジオン・ズム・ダイクンを中心に,宇宙移民族によってサイド3に公国制で建国された独立国家の事.
- 後に,ダイクンの腹心と呼ばれたザビ家によって運営されるが,当初の思想とは違い,その選民色を強めて地球連邦との隔壁を強めていき,コロニー落としによって地球連邦と全面戦争に突入する.
- 当初は革新的戦略兵器の発明により地球連邦を苦しめるが,圧倒的物資の物量で勝る地球連邦軍によってその反乱は鎮圧される. 後にの戦争を「1年戦争」と呼び,戦後,和平条約を結ぶ.
- その後,ドズル中将の娘,ミネルバ・ザビ(摂政:ハマーン・カーン)や,ジオン・ズム・ダイクンの子息であるキャスパル・ズム・ダイクン(シャア・アズナブル)によってネオ・ジオンとして復興される.
4.HyperThreading
- HyperThreadingとは,Intel社のXeonプロセッサで実現した機能である.
- 画期的なプロセッサ設計技術をデモ
- 簡単に言うと,物理的に1つのCPUを搭載していても,論理的に2つのCPUが稼働しているかに見える機能.
- もう少し詳細に説明すると,スレッドを並列動作させる事によって,プロセッサの利用効率を高めよるという技術である.
- 詳細については以下のURLを参照の事.
- Hyper-Threading Technology
- きっと,最近特に周波数やパイプライン処理の並列度があがり,プロセッサの能力を全て使いきらないので論理手分割してしまおうという思想から生まれたのだと思われる.
- こっちの資料の方がわかりやすいかも.
- ハイパースレッディング——その仕組みと未来図(1)
- HyperThreadingは,Xeonプロセッサだけの物ではなく,今後はエントリーレベルのPenitum4にも搭載されていく模様.
- Intel、Hyper-Threading対応の「Pentium 4 with HT」を発表
- Hyper-Threading対応Pentium 4——その効果のほどは?
- Intel、Hyper-Threading対応の新チップセット
- 今後は,単一CPUの高速化(GHz神話)も進むだろうが,HyperThreadingによって,より幅広く進化していくための考え方とも言える.
5.ハイパーバズーカについて
- 連邦軍の1年戦争時の名機と呼ばれるモビルスーツ,初代ガンダムが試用した高出力ビーム砲の名称.
- イージス艦に搭載されているビーム砲と同等の出力を持つ兵器が,モビルスーツによって可搬性があり,柔軟な攻撃体勢をくむ事が出来る.
6.HyperThreadingの実用性について
- HyperThreadingのパフォーマンスについては,単独で稼働する場合に比べ25%〜40%能力を向上する事が可能となっている.
- インテルのWebページには,「HyperThreadingを利用するには,それに対応したアプリケーションが必要」となっているが,実際にはマルチプロセッサに対応したOSで対応していれば,そのOSをターゲットに作られているアプリケーションであれば問題なく利用する事が出来る.
- WindowsだとWindows2000から利用可能である.
- Microsoft WindowsベースのサーバーとIntelハイパースレッディング技術(2002/03/25)
- で,LinuxだとKernel 2.4を搭載したもの.具体的にはRedHat Linux 7.xや,Miracle Linux 2.1等が対応している.
- XeonプロセッサでHyperThreading機能を利用する場合,CPUは次の図のように見える.
- 論理CPUに対して,次のような順番でOSがプロセスを割り当てる事になる.
7.サーバソフトに関するプロセッサライセンスの考え方について
- 近年,サーバソフト製品の価格体系では,「プロセッサライセンス」と呼ばれる課金方法が行われている.
- データベースソフトがその代表格で,日立製作所のJP1のようなサーバ製品でも導入されている.
- ここで気になるのが,Xeonプロセッサを搭載してHyperThreadingで論理的に複数CPUとして処理される場合である.
- たとえばデータベースソフトを例に取ると,CPU数×価格で計算され,Xeonで物理1プロセッサ搭載でも,論理2CPUとして計算されるため,そのまま計算すると価格は倍になる.
- しかし,マイクロソフトとオラクルでは,HyperThreadingによる複数CPUの場合のライセンスのカウント方法は,「物理CPUで計算する」と表明している.
- 判っている現状について,下記に示す.(これを保証する物ではない)
- マイクロソフトの表明(2002/03/25)
- http://www.microsoft.com/japan/windows2000/server/evaluation/performance/reports/hyperthread.asp
- ここでは,「そのサーバ上の物理プロセッサそれぞれについてプロセッサライセンスが必要」と記述されている.
- 日本オラクルによる表明
- 残念ながら未発見.
- サイベース株式会社による表明
- 担当営業に連絡して欲しい.
- 日本アイ・ビー・エム
- 残念ながら未発見.
- マイクロソフトの表明(2002/03/25)
- 各製品のライセンスのカウント方法に付いては,ナーバスな事なのでメーカ担当営業に直接確認する事.
8.Windowsでのハイパースレッディングの見え方
- 機能的な違いもあるが,Windows2000ファミリーでは,CPUの制限で表現すると,次の表のようになる.
製品名 | 最大CPU数 |
---|---|
Windows2000 Professional |
2
|
Windows2000 Server |
4
|
Windows2000 Advanced Server |
8
|
Windows2000 Datacenter Server |
32
|
- Xeonプロセッサを利用し,HyperThreadingを用いた場合,そのCPUは倍になるので,物理数と論理数は次のようになる.
製品名 | 物理 数1 |
物理 数2 |
物理 数4 |
物理 数8 |
物理 数16 |
物理 数32 |
---|---|---|---|---|---|---|
Windows2000 Professional |
2
|
2
|
2
|
2
|
2
|
2
|
Windows2000 Server |
2
|
4
|
4
|
4
|
4
|
4
|
Windows2000 Advanced Server |
2
|
4
|
8
|
8
|
8
|
8
|
Windows2000 Datacenter Server |
2
|
4
|
8
|
16
|
32
|
32
|
- 4CPUマシンの場合,Windows2000 Advanced Serverを利用しないと意味がない.
- Windows2000 Datacenter Serverは,ハードウェアと一体なので,一般ではお目にかかれない.
- 今回テストに用いたのは,Xeonプロセッサ1.6GHzを4つ搭載したマシンをサンプルとする.
- 同じマシンにWindows2000 Serverと,Windows2000 Advanced Serverをインストールしてみた.
- タスクマネージャで確認すると,次のようになる.
Windows2000 Advanced Serverを入れた時
Windows2000 Serverを入れた時