ラックとラックマウントサーバ
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- 2002.10.09 新規作成
1.はじめに
このドキュメントでは,サーバの高集積を実現する,ラックとラックマウントサーバについて説明する.
2.サーバラックとは
- ラックとは,本棚のような形をしていて,サーバマシンを格納するための入れ物である.
- 一般的には,JISやEIAで規格化されている19インチラックの事を示している.
- 比較的簡易的に利用するには,次のURLにあるような,パソコン机の応用のような形状の物を用いる事が多い.
- サーバーラック 19インチラックマウント
- 近年のインターネット系サービスを行っているサーバ等を格納する用途として,より多くのマシンを稼働させるために,外観が冷蔵庫のような大きな物を用いている場合がある.
- スチール製19インチラック(EIA規格)標準タイプ
- http://www.planex.co.jp/product/19inch/19inch_h.shtml
- iDC(インターネットデータセンタ)では,このようなラックを用いている.
3.ラックにマウントできる機械
- 以前は,ラックに,タワー型のPCサーバを横にしたようなモデルを搭載していた事もあるが,現在は19インチの規格にあう,薄型のサーバを多数搭載する場合が多い.
- この薄型のサーバは,最小「1U」という単位でサイズを表される.
- サーバの種類によって,1U,2U,4U,5U等という色々なサイズがある.
- iDCで使われるラックの多くは,42U搭載する事が出来る.
- 1Uは約44.45mmで,各社からこのサイズで色々なPCサーバが出荷されている.
- Apple Computer
- Sun Microsystems
- SunFire V100
- Sun LX50(Cobaltの後継機)
- DELL PowerEdge 1650
- また,サーバに付随する,ネットワーク機器なども19インチラックに対応している.
- PLANEX COMMUNICATIONS
- FMX-0248K スイッチングハブ
- APC Japan
- Symmetra(ラックマウントのUPS)
- Rack-Mount LCD Monitor/keyboard Drawer(キーボードとディスプレイ)
- PLANEX COMMUNICATIONS
4.ラックの規格と導入に関する注意点
4.1.サイズに関する注意事項
- ラックに搭載する機器の規格は,「19インチラック対応」とか「1Uサーバ」・「4Uストレージ」等と表現されている.
- また,ラック自身も「19インチラック」として売り出されている.
- この「19インチ」というのは,これは横幅の事.
- 1Uというのは,高さの事.
- つまり,奥行きについては規格がない点に注意する.
- いままで見てきた中で,DELLとAppleのサーバは,その他のメーカに比べて奥行きが長いようである.
- よって,今後それらのサーバを導入する可能性がある場合は,購入するラックやそれらが用意されているiDCの設置場所についての規格について考慮する必要がある.
- たぶん,たとえば今までIBMのラックマウントサーバとラックを導入していた場合,IBMからはそのラックに収まるサーバしか出荷されないと思われる.
- よって,現在みかける最大サイズと思われる奥行きはDELLのサーバにあうラックを導入していれば問題ないかもしれない.
4.2.放熱に関する注意事項
- ラックは,セキュリティやケーブル抜けのミス等を防ぐ為に,前後ともに扉が付いている場合が多い.
- 扉については,大きく2種類ある.
- ガラス張りのもの.
- ガラス張りなので見通しが良く,機器の異常を伝達するLEDのランプがよく見える.
- 他社も共有利用しているiDCを使っている場合,どのようなマシンを使っているか判ってしまう.
- 鉄の網になっているもの
- 網状になっているため内部の熱が逃げやすくなっているが,外観からLEDが見えづらいため,データセンタ管理者が毎回扉を開けて確認する必要がある.
- 40〜50もラックがあると,どこにどのサーバがあるかぱっと見わからないので,配置図を持っていないと迷う事がある.(これは問題点か?)
- ガラス張りのもの.
- 放熱に関しては,iDCの場合は床部分から冷風が送り込まれている事が多いが,高熱を発する機械が集中している場合,熱がラックの上層部に滞留してしまう事がある.
- よって,天井部にファンを取り付けられるような構造や拡張が出来るラックを採用しているメーカの製品を選んだ方がよい.