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ブラウズマスタ


ブラウズマスタ


0.改定履歴

  • 1998.03.17 初版
  • 1998.03.19 NTでのアナウンス停止設定を追加

1.はじめに

 このドキュメントは,WindowsNTとWindows95で構成されるネットワーク上で,あまり認識されずに使われている“ブラウズマスタ”について説明する.

2.ブラウズマスタの役割

 たとえば,Windows95やWindowsNT4.0などではデスクトップ上の“ネットワークコンピュータ”を開いた時に表示されるコンピュータの一覧情報やネットワークパスは,ブラウズマスタの役割を持っているコンピュータから情報を取得している.

3.ブラウズマスタに選定されるマシン

 ブラウザマスタとなるマシンは,Windows NTやWindows95のネットワーキング共有サービスが導入されているものが対象となる.

 これらがマスタブラウザになるプロセスは次の通りである.

  • コンピュータ(Windows95またはWindowsNT)が起動する.
  • ネットワークにブロードキャストしマスタブラウザを探す.
  • マスタブラウザが居なければ自分がマスタブラウザとして稼働する.
  • 稼働したら,それをネットワーク上で宣言する.

 もし,同時に起動したコンピュータがマスタブラウザの取り合いになった場合,そのコンピュータ名のアルファベット順でマスタブラウザが決定する.

4.マスタブラウザの交代

 マスタブラウザとなるマシンが電源OFFなどでその機能を提供できなくなった場合には,NTのイベントログには次のようなメッセージが記述される.

マスタブラウザが失われた時のイベントログ
ブラウザはブラウザ マスタ \\コンピュータ名 (ネットワーク \Device\NIC名) からサーバー一覧を取得できませんでした

 ネットワーク上のブラウザマスタが失われた場合には,優先的にWindows NTサーバがマスタブラウザとして稼働しようとする. この時に出力されるのが次のメッセージである.

NTが強制的にマスタブラウザとなったメッセージ
マスタ ブラウザが停止されているため、ブラウザはネットワーク \Device\Nbf_E100B1 で強制的にブラウザを選択しました。

5.ブラウザリストの更新タイミング

5.1.ブラウザマスタの選出時とその後のフォロー

 ブラウザマスタは,そのネットワークに存在するマシンの一覧を取得する. このプロセスは次のようになる.

  • ブラウザマスタになった時点から最初の5分間情報を収集する.
    • DomainAnnouncementデータグラムを1分毎にブロードキャストする
  • 最初の5分を過ぎたら,15分おきに情報を収集する.

 この時に収集されたリストが,“ネットワークコンピュータ”のアイコン中にリストされる.

5.2.リストから消えるタイミング

 ブラウズリストに追加されたコンピュータが電源OFFを行ってもネットワークコンピュータの一覧からしばらく消えないことがある. それは,このブラウザリストの仕組みが次のように稼働しているからである.

  • 電源OFFなどでコンピュータが見つからない場合でも,3回ブロードキャストまではリストから消えない.
  • 3回目のブロードキャストで見つからない場合にはリストから削除される.

 つまり,15分間隔でブラウザマスタからブロードキャストが行われるので,最大45分間はリストに表示される可能性がある事になる.

5.3.NETBIOSネームキャッシュの利用

 ブラウズリストは先の説明にあるとおり一定間隔でLAN内にブロードキャストして取得する. この行為には次のようなデメリットがある.

  • ネットワーク負荷が高くなる
  • タイミングによっては,しばらくコンピュータが認識されない

 このデメリットを解消するためには,LMHOSTSに#PREオプションを付け,ブラウズマスタのメモリ中に静的にロードして情報をキャッシュしておけばよい.

6.Windows 95クライアントでブラウズマスタの設定

 ブラウザマスタをWindows 95クライアントに行わせたくない,あるいは行わせたい場合は,次のように設定する.

6.1.条件

 ブラウザマスタになってもいいコンピュータには,“Microsoftネットワーキング共有サービス”が導入されている必要がある.

 これが稼働していないとマスタブラウザとして稼働できない.

6.2.Windows 95をブラウザマスタに成る権利を与える

 “ Microsoft ネットワーキング共有サービス”のプロパティの[詳細設定]にて,次のように設定する

項目 設定内容
LM アナウンス “はい”
ブラウズマスタ “自動”か“有効”

6.3.Windows 95をブラウザマスタにしない権利を与える

 “ Microsoft ネットワーキング共有サービス”のプロパティの[詳細設定]にて,次のように設定する
項目 設定内容
LM アナウンス “いいえ”
ブラウズマスタ “無効”

6.4.各プロパティの意味

  • LM アナウンス
    • はい
      • ワークグループまたはドメイン内の他のコンピュータに通知する.
    • いいえ
      • 他のコンピュータに通視せず,“ネットワークコンピュータ”アイコンの一覧に常時されない.(この時でもUNCでの接続は可能である)
  • ブラウズ マスタ
    • 無効
      • コンピュータをブラウザとして機能させない.
    • 有効
      • コンピュータをブラウザとして機能させない.
    • 自動
      • 必要であればブラウザとして機能させる.

6.5.ご推奨

 ムダなネットワークトラフィックを増やす恐れがあるので,コンピュータはブラウザとして稼働させないようにする方がよい. 通常は,サーバさえネットワークコンピュータに現れていれば幼児は足りると思われる.

7.Windows NTで,アナウンスしない方法

 Windows 95では,ブラウザの設定をコンパネで行うが,Windows NTでは,次の2つの方法で設定できる.

コマンドプロンプトから設定
net config server /hidden:yes

 でこれば,net コマンドで設定した方がよい.

レジストリの変更で設定
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
     Services\LanmanServer\Parameters
       REG_DWORD の Hidden = 1 を追加

そして再起動リブートです。


参考文献

  • LMHOSTS
  • Microsoft技術情報 文書J041306

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