パフォーマンスモニタについて
0.改定履歴
- 1998.03.12 初版
- 1998.03.14 ログファイルサイズについて追記
- 1998.03.17 ログファイルサイズの制限について追記
- 1999.12.05 ログの不具合に関して調べてみたが,変更されて無い.
1.はじめに
このドキュメントは,WindowsNT3.51,WindowsNT4.0でのパフォーマンスモニタの機能についての概略を記述する.
2.パフォーマンスモニタとは
パフォーマンスモニタとは,その名の通り各種パフォーマンス計測を行い,それをモニタリングするアプリケーションである.
監視項目を設定することにより,それをグラフィカルに表示することが出来るが,その時点でのデータのみならず,データを蓄積して後から参照する事も出来る点は,多くの人が見逃すようである.
このパフォーマンスモニタでは,複数のマシンのデータを採取することが出来る.
また,予め設定した上限や下限を設定しておくことで,指定したプログラムを起動させたり,イベントログにその情報を書き出したりすることが出来る.
3.監視の自動化
パフォーマンスモニタ自身はGUIソフトで,画面が表示されていなければログを採取出来ない. よって,これを自動化するためには,2つの方法がある.
- MS Testのような自動化ツールを使ってパフォーマンスモニタを起動・終了する
- パフォーマンスモニタサービスを使用する.
このパフォーマンスモニタサービスは,リソースキットを購入する必要がある. また,今現在,MS TestはVisual Testと名前を変え,Microsoft以外のベンダが開発・販売を行っている.
4.ログのメモ機能
採取したログを参照する場合,ある時点においてメモを入力することが出来る. たとえば,朝9時からデータを取り始めたが,10時から何か処理を初めてそれが12時に終ったとする場合,その処理の開始・終了時点に手動でメモを入れておくことが出来る. すると,そのメモを行った時間を対象として時間を選択でき,その処理が行われていた時間について素早く監視することが出来る.
これは長時間監視を行った結果を参照するときに非常に有益である.
5.オブジェクトとカウンタ
監視できる項目は,オブジェクトとして現れる.このオブジェクトは,各アプリケーションが持っていれば,そのアプリケーションをインストールした時点で新たに追加される.
また,そのオブジェクトには,カウンタと呼ばれる詳細な値を監視するための項目があり,大半のものはパフォーマンスモニタでオブジェクトを追加したときにデフォルトで示されているものを監視していればよい.(初心者)
たとえば,メモリに関しても色々なカウンタがあるが,それぞれについての説明は“説明”ボタンを押すことで表示される.(MSヘルプを見ても載っていない) しかし,この説明だけでは重要なカウンタであるかはほとんど示されていない(たまに“重要なカウンタ”と書いてある)ので,リソースキットの「WindowsNT3.5 最適化ガイド」が必須となる.
6.最適化ガイド
「WindowsNT3.5 最適化ガイド」はかなり良く出てきており,パフォーマンス計測についてのノウハウが多く記載されているが,リファレンスとして引用するにはあまり実用的ではなく,最初から読んである程度は理解しておく必要がある. これを読むためには1週間程度必要であると思われる.(経験値)
7.ファイルの種類
パフォーマンスモニタでは,次のような拡張子が付いたファイルが使われる.
拡張子 | 内容 |
---|---|
|
チャートの設定 |
|
レポートの設定 |
|
警告の設定 |
|
ログの設定 |
|
ワークスペースの設定 |
|
長時間監視した結果の入るログ |
パフォーマンスモニタでは,チャート,レポート,警告,ログの4つの設定情報があり,それらを個別に保存する場合と,一括で保存する(一括してあるものをワークスペースという)ことが出来る.
ログファイルとは,長時間監視した結果が保存されるファイルである. 後から再生して使うことが出来る. パフォーマンスモニタを起動しただけでは作られない.
ログファイルは,設定によってはとても大量になる. たとえば,ドキュメント「パフォーマンス計測結果と分析」で採取したデータは1秒間隔で1.3GBにもなった.
3.ログファイルサイズのアホな仕様と不具合
このファイルは, 2,147,483,648byteより大きくならない. これ以上のファイルになると,ファイルが破壊されてしまう.
将来的には,このファイルサイズを越えるまえにパフォーマンスモニタを終了する様に作り直すそうである.
参考資料
- WindowsNT3.5 最適化ガイド
- Microsoft Press.アスキー出版局
- J040230 パフォーマンス モニタ ログのデータが 2.1 GB に制限される