パフォーマンスのチェック項目
0.改定履歴
- 1999.12. 初版
1.はじめに
このドキュメントは,NTにて,パフォーマンスが悪い場合のボトルネックの調査項目とその判断について説明する.
2.監視項目
パフォーマンスが悪い場合,まずボトルネックが何かを判断しなければならない.
ボトルネックが発生するコンピュータの構成要素には,次のような物がある.
- 主記憶メモリ
- プロセッサ(CPU)
- ハードディスク
- ネットワークコンポーネント
- ネットワーク
これらのボトルネックを検出するためにはパフォーマンスモニタを用いる.
3.主記憶メモリのボトルネックの検出
| オブジェクト(上段) カウンタ(下段) |
状態 | |
|---|---|---|
| 1 | Memory | 値が5より多い状態が続いている場合. |
| Pages/Sec | ||
| 2 | PAGEFILE.SYSの入っているディスク | 上記のPages/Secとこのカウンタの積は,ページングに使用されるディスクアクセス時間の百分率になり,常に値が10%より大きい場合. |
| Avg.Disk Sec/Transfer | ||
| 3 | Server | ノンページドプールからのメモリ割り当ての失敗. この値が多いと物理メモリが少ない. |
| Pool Nonpaged Failures | ||
| 4 | Server | 物理メモリやページファイルの容量をほぼ使い切っている. |
| Pool Paged Failures | ||
| 5 | Server | 一時点で使用したNon Paged Poolの最大バイト数. どれだけの物理メモリを必要としているかの指針となる. |
| Pool Nonpaged Peak | ||
4.プロセッサのボトルネックの検出
| オブジェクト(上段) カウンタ(下段) |
状態 | |
|---|---|---|
| 1 | Processor | この値が常に80%近いにもかかわらず,ディスクやネットワークの値が低い場合 |
| %Processor Time | ||
| 2 | System | マルチプロセッサの場合は,Systemオブジェクトを監視する. |
| %Processor Time | ||
| 3 | System | この値が2より大きい場合. |
| Processor Queue Length | ||
| 4 | Processor | 割り込みを行うハードウェアが動作して無い場合にこの値が急増する場合. |
| Interrupts/sec | ||
| 5 | Processes (_Total) | 2つ以上のプロセスがプロセッサ時間を浪費している場合は,より高速なプロセッサやプロセッサの追加を考える. |
| %Processor Time | ||
5.物理ディスクのボトルネックの検出
| オブジェクト(上段) カウンタ(下段) |
状態 | |
|---|---|---|
| 1 | PhysicalDisk | この値が常に高く,キューの長さが2より大きい場合. |
| %Disk Time | ||
| 2 | PhysicalDisk | 0.3 秒より大きい値を示す場合は,ディスク のコントローラがエラーのためにリトライを繰り返している可能性がある. |
| Average Disk sec/Transfer | ||
| 3 | PhysicalDisk | 1)と2)のカウンタの積で,平均キュー時間が求められる. システムに搭載されているすべてのハードディスクに対して計算する. キューが多いと,ディスクアクセスが遅くなる. |
| 1) Disk Queue Length 2) Average Disk sec/Transfer |
||
| 4 | PhysicalDisk | 20Kより低い場合,アプリが非効率にディスクアクセスを行っている可能性がある. |
| Disk Bytes/sec | ||
6.ネットワークコンポーネントのボトルネックの検出
| オブジェクト(上段) カウンタ(下段) |
状態 | |
|---|---|---|
| 1 | Redirector |
この値が1つのNICあたり1より大きい場合,次のような理由でボトルネックになっている可能性がある.
|
| Current commands | ||
| 2 | Redirector | ネットワークエラーが出ている場合はイベントログでエラーの詳細を確認する. |
| Network Errors/sec | ||
| 3 | Redirector | 通信相手のメモリ不足の可能性がある. |
| Reads Denieds/sec Writes Denieds/sec |
||
| 4 | Server | この値が増大する場合は,レジストリのInitialWorkItemsやMaximumWorkItems が変更されている可能性がある. |
| Work Item Shortage | ||
| 5 | Server | 大容量ファイル転送を実行していてBusyの時に使用されたRawWorkItemsの消耗を示す. レジストリのRawWorkItemsの値を増やすことで解決できる場合がある. |
| Raw Reads Rejected/sec Raw Writes Rejected/sec |
||
7.ネットワークのボトルネックの検出
| オブジェクト(上段) カウンタ(下段) |
状態 | |
|---|---|---|
| 1 | Server | すべてのサーバのこの値の合計がネットワークの最大転送レート(10M Etherなら10MBit)に等しい場合は,サブネット分割を行う必要がある. |
| Bytes Total/sec | ||
参考資料
- Q146005 Optimizing Windows NT for Performance

