Solstice DiskSuite4.0による状態チェック
Solstice DiskSuite4.0による状態チェック
０．改定履歴
１．はじめに
このドキュメントは，Solaris2.5.1でDiskSuite4.0を使用し，RAID5運用を行なっているときに，そのデバイスの状態をチェックする方法をまとめるものである．
２．状態データベースの状態確認
状態データベースの稼働状況を把握するためには，metadbコマンドを用いる．
これは，以下のような用法である．
用法
| metadb [-s <セット名>]
[-i] |
| オプション |
説明 |
| -s <セット名> |
metadbコマンドが作用するディスクセットの名前を指定する． |
| -i |
状態フラグについて説明する凡例も表示する． |
２．１．情報を見る
root@duo% metadb
flags first blk block count
a m pc luo 16 1034 /dev/dsk/c0t1d0s0
a pc luo 16 1034 /dev/dsk/c1t0d0s0
a pc luo 16 1034 /dev/dsk/c1t1d0s0
a pc luo 16 1034 /dev/dsk/c1t2d0s0
a pc luo 16 1034 /dev/dsk/c1t3d0s0
root@duo%
|
２．２．凡例付き情報
root@duo% metadb -i
flags first blk block count
a m pc luo 16 1034 /dev/dsk/c0t1d0s0
a pc luo 16 1034 /dev/dsk/c1t0d0s0
a pc luo 16 1034 /dev/dsk/c1t1d0s0
a pc luo 16 1034 /dev/dsk/c1t2d0s0
a pc luo 16 1034 /dev/dsk/c1t3d0s0
o - replica active prior to last mddb configuration change
u - replica is up to date
l - locator for this replica was read successfully
c - replica's location was in /etc/opt/SUNWmd/mddb.cf
p - replica's location was patched in kernel
m - replica is master, this is replica selected as input
W - replica has device write errors
a - replica is active, commits are occurring to this replica
M - replica had problem with master blocks
D - replica had problem with data blocks
F - replica had format problems
S - replica is too small to hold current data base
R - replica had device read errors
root@duo%
|
２．３．凡例の説明
凡例は，その状態によって以下の２種類に分けられる．
２．４．状態の日本語訳
| フラグ |
状態 |
| o(おー) |
最後にmddb環境変更より以前にアクティブなレプリカ． |
| u |
レプリカが最新である． |
| l(える) |
このレプリカの為のロケータが正しく読み見込まれた． |
| c |
レプリカが， /etc/opt/SUNWmd/mddb.cf に存在する． |
| p |
レプリカのロケーションがカーネルにパッチをあてられた． |
| m |
レプリカのマスタである． |
| W |
レプリカが書き込みエラー． |
| a |
レプリカが正常稼働中． |
| M |
レプリカにはマスターブロックにまつわる問題がある． |
| D |
レプリカにはデータブロックにまつわる問題がある． |
| F |
レプリカにはフォーマット問題がある． |
| S |
レプリカが現行のデータベースを持つにはあまりに小さい． |
| R |
レプリカが読み込みエラー． |
|
|
３．メタデバイスの状態確認
メタデバイスの稼働状況を把握するためには，metastatコマンドを用いる．
これは，以下のような用法である．
用法
| metastat [-s
<セット名>] [-p] [-t] [<オブジェクト>] |
| オプション |
説明 |
| -s <セット名> |
metadbコマンドが作用するディスクセットの名前を指定する． |
| -p |
mt.tabファイルと同じ形式で状態を表示する． |
|
-t |
最後に状態が変化した時間を表示． |
|
[<オブジェクト>] |
オブジェクト名．ここではRAID5オブジェクト名を入力． 省略した場合には，すべてのオブジェクトの状態が表示される． |
３．１．すべてのオブジェクトの情報を見る
root@duo% metastat
d0: RAID
State: Okay
Interlace: 32 blocks
Size: 16572560 blocks
Original device:
Size: 16572672 blocks
Device Start Block Dbase State Hot Spare
c0t1d0s7 330 No Okay
c1t0d0s7 330 No Okay
c1t1d0s7 330 No Okay
c1t2d0s7 330 No Okay
c1t3d0s7 330 No Okay
root@duo%
|
３．２．最後に状態が変化した時間を表示される
root@duo% metastat -t
d0: RAID
State: Okay 1997年10月21日 (火) 16時34分02秒
Interlace: 32 blocks
Size: 16572560 blocks
Original device:
Size: 16572672 blocks
Device Start Dbase State Hot Spare Time
c0t1d0s7 330 No Okay 1997年10月21日 (火) 16時27分55秒
c1t0d0s7 330 No Okay 1997年10月21日 (火) 16時34分01秒
c1t1d0s7 330 No Okay 1997年10月21日 (火) 16時32分36秒
c1t2d0s7 330 No Okay 1997年10月21日 (火) 16時30分52秒
c1t3d0s7 330 No Okay 1997年10月21日 (火) 16時29分59秒
root@duo%
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３．３．md.tabファイルと同じ形式で表示
root@duo% metastat -p
d0 -r c0t1d0s7 c1t0d0s7 c1t1d0s7 c1t2d0s7 c1t3d0s7 -k -i 32b
root@duo%
|
４．RAID5の場合
４．１．RAID5メタデバイスの状態
メタデバイスの状態は，前出のmetastatコマンドで見ることが出来るが，その中で報告されるステータスを以下に示す．
RAID5の状態
| 状態 |
内容 |
| Initializing |
初期化中である． 既に作成している場合にこれが表示されることは無い． |
| Okay |
エラーが無い状態． |
| Maintenance |
読み書き中に，なんらかのエラーが発生しているため，１つのスライスがエラーとして扱われている． |
Maintenance状態になっている場合，スライスの状態を確認することが必要である． スライスの状態に関しては，次項を参照する．
４．２．RAID5のスライスの状態
RAID5のスライスの状態
| 状態 |
内容 |
操作 |
| Initializing |
ゼロで初期化中． |
なし． |
| Okay |
エラー無し． |
なし． |
| Resyncing |
スライスの際同期処理が行なわれている． たとえば，エラーの修正，ホットスペアでドライブを入れ換えたときなど用． |
際同期が完了するまで， RAID5メタデバイスを監視することも出来る． |
| Maintenance |
読み書き処理中にエラーが発生し，エラーでマーキングされている状態． |
エラーの発生したスライスを有効にするか，あるいは交換する． metareplaceコマンドを参照する． |
| Last Erred |
複数のスライスにエラーが発生している． |
エラーの発生したスライスを有効にするか，あるいは交換する． metareplaceコマンドを参照する． |
５．障害エラーの検査方法
５．１．状態データベースの場合
metadbコマンドで出力される結果には，エラーステータス以外は大文字が含まれていない． これを利用して，エラー文字を拾う．
５．２．メタデバイスの場合
metastatコマンドで出力される結果に，Maintenance,Last Erredの２キーワードが含まれているかを検索して，エラーを拾う．
参考文献
- DiskSuite4.1ユーザーズガイド
- DiskSuiteオブジェクトの状態チェック
- RAID5メタデバイスの状態
