Hinemos(ヒネモス)概略
0.改訂履歴
- 2008.09.08 新規作成
1.はじめに
このドキュメントでは,分散ファシリティ統合マネージャとして開発された,オープンソースソフトウェアのHinemosについて説明 する.
hinemosとは,IPAが主催する事業の中で生まれたもので,サービス運用を統合的に管理運営する為のソフトウェアである.
実際には,株式会社NTTデータが開発し,GPLライセンスによって配布されているオープンソースソフトウェアで,Linuxをベー スとして,Windows等で動作する.
機能としては,JP1/AJS2のようなジョブ管理,Nagios, MRTG, OpenView, NetView等のようなリソースおよびノードの稼働管理等の機能を有している.
2.hinemosの持つ機能概略
- このソフトウエアは,以下の5つの機能を有する.
機 能 | 説 明 |
---|---|
リポジトリ管理 | 管理対象となるコンピュータの情報を集中的に管理する. 管理対象となる情報をリポジトリと呼び,管理対象のコンピュータをグルプを作成して管理することができる. よって,他の管理機能を実現する中心機能となる. |
監視管理 | イベントログやステータス情報を監視する. ハードウエア&ネットワーク,OS&リソース,アプリケーションを監視し,障害発生を判断する. 他にも,指定したログファイルの監視を行い,特定のキーワードを抽出したり,不要なログは表示しないよう除外する等で監視をしやすくしている. |
性能管理 | CPU,メモリ等のリソース情報を管理し,それらをグラフ表示する機能を持
つ. 監視時に収集したデータは,CSV形式で出力することができ,再利用が可能となっている. |
ジョブ管理 | 定期ジョブの定義や,先行(前提ジョブ)等の実行順管理・連携を行う. 連携ジョブに関しては進捗状況を画面で確認したり,ジョブの開始停止等をGUIで操作することができる. |
一括制御 | 定義した各管理業務の内容を,別の管理対象へ複写することができる. 複数の管理対象(サーバ)を持つ場合,毎回定義を行うのではなく,ユーザ作成・変更・削除等の管理の操作を,GUIで一括で実行することができる. |
- これらの機能によって,システムの運用管理をサポートする.
3.モジュールと動作環境
- Hinemosは,大きく3つのモジュールで動作している.
- それらの役割は,以下の通り.
パッ ケージ | 役 割説明 |
---|---|
Hinemosマネージャ | Hinemosの運用管理機能を提供する中心となるサーバ. 管理対象の情報 を保存しているリポジトリの管理や,各機能で利用するデータを保管している. |
Hinemosエージェント | 管理対象となるサーバで動作するソフトウェア. |
Hinemosクライアント | オペレータが利用する端末で動作させるGUIツール. |
- これらのHinemosの各ソフトウェアが動作する為には,前提となるソフトウェアがある.
パッ ケージ | 前 提となるソフトウェア |
---|---|
Hinemosマネージャ | JRE 1.5.0.9 JBoss 4.0.3SP1 OpenLDAP 2.3.20 PostgreSQL 8.1.3 メールサーバ(※) FTPサーバ(※) syslog-ng 1.6.9 |
Hinemosエージェント | JRE 1.5.0.9 sshd/rshd expect syslog-ng 1.6.9 |
Hinemosクライアント | JRE 1.5.0.9 Eclipse RCP 3.1.1 jfreechart 0.9.211 |
- それぞれのソフトウェアをインストールする際に,必要なソフトウェアも同時にセットアップされる.
- (※)印の付いたソフトウェアは,Hinemosのインストール作業ではセットアップされないので,別途インストールが必要とな る.
- また,Net-SNMPパッケージ(ライブラリ含む)がインストールされている必要がある.
パッ ケージ | 前 提となるソフトウェア |
---|---|
Hinemosマネージャ | CPU:Xeon 2.4GHz以上 メモリ:2GB以上 HDD:5GB以上 ネットワーク:1個以上 OS:RedHat Enterprise Linux 4 |
Hinemosエージェント | CPU:Pentium III以上 メモリ:256MB以上 HDD:1GB以上 ネットワーク:1個以上 OS:RedHat Enterprise Linux 4,5 Windows Server 2003 R2,Windows 2000 Advanced Server |
Hinemosクライアント | CPU : Pentium 4 2.8GHz以上 メモリ:1GB以上 HDD:1GB以上 ネットワーク:1個以上 ディスプレイ解像度 1280x1024以上 OS:RedHat Enterprise Linux 4 Windows XP SP2 |
4.使用するネットワークポート
- Hinemosで利用するネットワークポートは,次の通り.
- rshdとsyslog-ngが同じポート番号を利用しているが,両方とも利用する場合は,ポート番号の経国府が必要と なる.
- sshdを利用する場合はrshdは不要
モジュール | アプリケーション | UDP | TCP |
---|---|---|---|
Hihemosマネージャ | SNMP-Trap | 162 | |
syslog-ng | 514 | ||
JBoss | 1098, 1099, 4444, 4445, 8009, 8080, 8083, 8093 | ||
OpenLDAP | 24000 | ||
PostgreSQL | 24001 | ||
Hinemos エージェント | sshd | 22 | |
rshd | 514 | ||
NET-SNMP | 161 |
5.前提条件・注意事項
- OpenLDAPおよびPostgreSQL
- Himemosをインストールするとセットアップされる為,既に動作させている場合,動かなくなる可能性がある.
- 他のJBossまたはRMIサーバが動作している場合,Hinemosマネージャが起動しない場合がある.
- syslog-ngがインストールされるが,syslogを置き換えてしまう.
- SELinuxが有効になっている場合は,syslog-ngの起動時にエラーが発生する場合がある.
- 同じコンピュータにHinemosマネージャとエージェントをインストールする際には,マネージャを先にインストールする.