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次世代OSの話
2007-12-12
 わしが,当時所属していた会社の同じ部署の人向けに,1993年7月15日に書いた文書が出てきました.

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1. 次世代OSの話

1.1 486互換機で動くNeXTStepを発表。

 ワークステーションの世界で、当部署でも使用しているものには、UNIXというOSが搭載されていると言うことは、皆さんご承知の通りですが、マイナーながらもう一つ、マニアでなければ知らなそうなOSがあります、アップル・コンピュータの共同創始者、そしてマッキントッシュの生みの親として知られるステーブ・ジョブス氏が率いるNeXT社がそれで、OSの名前をNeXTStepと言います。 しかし、最近ワークステーション開発製造を中止し、IBM互換パソコン用に書き換えたOSとして「NeXTStep 3.1 for Intel」を核としたソフトウェア会社として出直すと方向です。 マシンを売っていたのでは利益が少ないからでしょうか。

 5月25日からサンフランシスコで開催された展示会、ネクストワールドにおいて、NeXTStepが一般公開され、即日出荷が始まったと言うことです。
 NeXTのワークステーションは、ネクストキューブと呼ばれるブラックボディーとマックを進化させた使いやすいGUIを武器に大学など研究機関を中心に一部のマニアに人気を得ていました。
 しかし、やはり他のワークステションと違って独自仕様なため、ビジネス市場へはほとんど進出できずに現在にいたるわけです。 しかしOSのNeXTStepは、初代NeXT発売依頼、常に高い評価を受けており、マイクロソフトの「Cairo」と呼ばれるウィンドウズNTの次バージョンや、アップルとIBMが出資した会社、タリジェントが開発中の新OSと技術的には同等と言われています。

 IBM互換機上でNeXTStepを使うには、486以上のCPUを搭載し、16メガバイト以上のメモリー、最低120メガバイトのハードディスクなどが必要という事で、環境を揃えるには相当経費がかかりそうですが、OS/2と同じくらいと言えば、どれくらいかお分かりになると思います。気になる?日本語版にジョブス氏は、「今年第四半期の早い時期に出荷したい」と言っている。

 今回の動きを米国業界は、「正しい方向だが、遅すぎた」と厳しい意見であるが、独自のハードウェアにこだわっている間に、ウィンドウズの大成功、アップルとIBMの連合、UNIXワークステーション各社が対NTで協議する動きが起こりって降り、その意見も納得できない事はない。
 マシンの製造工場は、多額の出資をしていたキャノンが買い取ったということです。
 NeXTは、自らペプシからスカウトしたジョン・スカリーに追い出されてアップル・コンピューターを去ったスティーブ・ジョブスが、同時に一部のエンジニアを率いて、当時次期マッキントッシュとして進めていた技術を注ぎ込んで開発したコンピュータで、その上で動くOSがNeXTStepである。 その名のとおり、「次」であった。
 当時、マックのCPUと同じCPUメーカーのモトローラの68040などであったが、画面上をPostScriptを使用して描画していた為に、ほかのRISCチップを使用したワークステーションより動作が遅かった。 68040はCISCチップである。
 今回、IBM互換機にOSを載せられるのは、互換機でもインテル486の66MHzは処理能力的にモトローラの68040の33MHzに相当するという事で、そんなに変わりない動作が出きるようになったのと、商業的に見て日本以外の国ではIBM互換機は出荷台数でトップなので、販売範囲が広がる様にも取れる。

1.2 WINDOWS NTの発表。

 ウィンドウスや関連商品をあつめた展示会、「WINDOWS WORLD '93」が5月24日から27日にかけて、米国のアトランタで開催され、そこで「ウィンドウズNT」の発表があった。 日本ではウィンドウズ3.1が発売されたばかりなのに、もう出荷された「ウィンドウズNT」とはどんな基本ソフトなのだろうか。

 ウィンドウズNTは、ウィンドウズという言葉からも分かるように、現在発売されているウィンドウズ3.1と同じファミリーとして位置づけられる。 とくに操作性や画面表示に関して、でてくるパーツの形状等、一見3.1なのかNTなのかすぐにはわからないようだ。
 ウィンドウズに共通する特長は、ウィンドウズ・マシンならどれでも同じアプリケーションが使え、その操作方法もほぼ同じものに統一されていることが上げられる。
 これを可能にしているのは、各マシン固有の部分(例えば、CPUの違いなど)がアプリケーションから見えなくなるようにするAPI(Application Programming Interface)というインターフェイスである。 APIを使ったプログラムは、どのウィンドウズでもそのまま動くようになる。
 これだけでは3.1でもNTも同じに見えるが、NTは大幅なデザイン変更がされている。

 今回発表されたウィンドウズNTと3.1の最も大きな違いは、NTが3.1のようにDOS上で動くソフトでなく、完全に独立したOSとしての性格を持っている。 これは現在のOS/2のような形態である。
 ウィンドウズNTは、現在はインテルの次世代CPUペンティアム上で動いているものがよく知られているが、従来のマイクロソフトのOSのようにインテルのCPUだけを意識して作られたものではない。 ワークステーションなどで使用されるRISCチップマシン、DEC社のAlphaチップやMIPS社のチップを使用したコンピュータなどでも動作可能となっている。 また、内部ではHAL(Hardware Abstraction Layer)という、ハードウェアの違いを吸収する部分を持ち、多様なハードウェアを使って動ける能力を持つという。

 こうした考え方は、ある意味でいままでのようなOSとCPUの緊密な関係を崩し、OSのCPU離れを指向したものだ。 こうしておけば、1つのCPUに縛られることはなく、今後出てくるあらゆるハードウェアに対応することが出きるようになるので、マイクロソフトも良い商売ができると言うことでしょう。
 またNTは、銀行業務や座席予約などの、従来大型機やワークステーションで手掛けてきた、途中で停止することが許されないアプリケーションを使う市場も狙っている。 このため、1つエラーが起きたせいでシステム全体が停止しないように、高い信頼性や利用可能を維持するための設計がされ、セキュリティ機能も持っているので、これから色々と分野を広げていくのでしょう。
  

1.3 今後の行方。

 さて、NeXTはここでは別にして、今後の行方を考えてみましょう。

 ウィンドウズNTは明らかに、IBMの大型機市場や、パソコンの上位に位置するワークステーション市場を狙ったものであることは前述の通りであるが、IBMにしてみれば、以前共同開発していたOS/2の存在も気になる。 現在でも歴史のあるOS/2の方が、OSとしては安定しており、ウィンドウ中で1つのアプリケーションが異常を発生した場合でも、OS/2の方が信頼性が高い。ウィンドウズの場合はOS自体が共倒れになるパターンは皆さんも良く体験しているハズです。 最近周辺機器が安価になったとはいえ、ハードウェアの初期投資のかかるOS/2は生き残っていけないのでしょうか。 パッケージソフトの数でもウィンドウズには及ばなくなっていることも、その要因に上げられます。

 また、IBMでは、いままでのCPUインテル、OSをマイクロソフトでパソコン市場に君臨していましたが、アップル、モトローラと開発を進めているPowerPC存在も無視はできません。 アップルは既にPowerPC上で動くマックOSをUNIXに書き換える作業を開始しており、またPowerPCで動くOSはUNIXををベースにしたものも含まれるかも知れない。

 そして正式発表は未だないが、IBM互換機にマックのOSを移植中との噂もある。 今後、ウィンドウズでも「Cairo」「Chicago」など、OSが色々次々でてくるとなると、どの方向で力をいれていけばよいのか、選択幅が広くて我々を悩ませます。また、逆にそのウィンドウ環境が整えば、OSさえも意識しないで使える環境が整うのかも知れませんけど。 

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「ですます」がむちゃくちゃだなぁ. まぁ,それはおいといて.

 1993年7月15日というのはWindowsNT発売前であり,Windows3.1日本語版発売から2ヶ月程経っているという次期でした.  今となっては無くなったものや結果の判っているものがあるのが興味深いです.

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